イソフラボンと骨の関係
女性は50代以降になると、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)のリスクが高まると言われます。これは、骨の形成に関わりのある女性ホルモンのエストロゲンが減少してしまうことによるもの。これを予防するために、イソフラボンが効果的とされています。
イソフラボンが骨に対してどのような効果を発揮するのか、詳しく見ていきましょう。
骨粗鬆症とは
骨粗鬆症とは、骨の骨密度が減って骨折しやすくなる病気です。
骨は古くなると新しい骨に生まれ変わるという、新陳代謝を行っています。骨を壊す働きと骨を作る働きがバランスを取ることで、健康な骨が維持されているのです。
しかし骨粗鬆症の場合、骨を壊す働きばかりが加速してしまい、骨を作る働きが追いつかず、骨密度が低下したスカスカの骨になってしまうのです。
骨粗鬆症になると、転んでちょっと手や肘をつくなどのわずかな衝撃でも、骨折してしやすくなってしまいます。
50代以降になりやすい
骨粗鬆症は、50代を過ぎた女性に多く見られる症状です。女性は閉経の前後になると急激に女性ホルモンが減少し、ホルモンバランスを崩しやすくなるもの。女性ホルモンの減少は、骨密度にも影響してしまうのです。
骨の形成にはカルシウムが必要ですが、カルシウムだけ補っても骨を丈夫にすることはできません。新しい骨を作る骨の代謝には、女性ホルモンのエストロゲンの働きが必要になります。
そのため、エストロゲンが減るとうまく骨が形成できず、骨密度と骨の質が低下して骨粗鬆症の原因になってしまうのです。
その他の原因
骨粗鬆症のリスクがあるのは、50代以降の女性ばかりではありません。ダイエットや偏食での栄養不足は、骨粗鬆症の原因になります。とくに成長期は丈夫な骨を作る大切な時期。この時に極端なダイエットをすると、将来骨粗鬆症になるリスクが高くなります。
また、運動不足も要注意です。骨を形成する細胞は骨に負荷をかけることで活発になるので、体をあまり動かさない人は骨が衰えやすくなります。
イソフラボンの骨への効果
イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンに似た作用があり、骨の形成にも働きかけます。
骨からカルシウムが溶け出すのを防ぐ
エストロゲンの分泌が減ると骨の形成がうまくいかなくなり、骨を破壊する働きばかりが暴走してしまいます。骨からのカルシウム流出が増えて、骨密度が低下してしまうことになります。
イソフラボンはエストロゲンと似た作用があるので、摂取することでエストロゲンの働きが回復。カルシウムの流出を抑えて骨粗鬆症を予防することができます。
積極的に骨を作る
エストロゲンは骨からカルシウムが溶け出すのを防ぐだけでなく、積極的に骨を作る働きもあります。
イソフラボンを摂取することで、その効果が発揮されるでしょう。
この効果は実験でも証明されています。マウス由来の骨を作る細胞にイソフラボンを与えた実験では、48時間の培養で骨形成の促進が認められるという結果が出ています。
まとめ
イソフラボンの骨を作る効果について説明しました。50代を過ぎた女性はとくにイソフラボンを積極的に摂りたいもの。骨を丈夫にするにはイソフラボンを摂るだけでなく、カルシウムの摂取や適度な運動も大切です。
また、骨粗鬆症は若い人や男性にも起こる可能性はあります。骨密度が低下する前に、しっかり対策を立てたいものですね。